わかりやすいデザインをつくりたい、そう思ったきっかけは、九州産業大学でのプロジェクト活動でした。そこで、目に見えない問題を可視化し、プロジェクト全体の効率向上に貢献しました。 その経験から、私はさまざまな活動を通じて、わからないことがわかる、その喜びを多くの人に届けたいと考えるようになりました。

大学卒業後は、カー用品・オリジナル販促用品を取り扱う小売販売店に入社し、店頭を彩るのぼり旗や横断幕、ステッカーやカレンダーなどの名入れ商品のデザインを行いました。お店をアピールしたいお客様のため、見た人が明るく楽しい気持ちになるようなデザインを心がけました。また、当時は製作も担当していたため、時間と材料を無駄にしない図案制作を習得することができました。

デザイン会社を経たあと、コミュニケーション能力を培いたいと感じ、タクシー会社に転職。無線室を経て試験を合格し夜間の運行管理者(営業)として配属されました。年配の経験豊富なドライバーとのコミュニケーションには多くの挑戦がありましたが、様々な人の人生や価値観に触れることで、大きく成長することができました。

その後、デザインにかかわりたい気持ちが捨てきれず、就職に向けて職業訓練学校のWEBデザイナー養成科に入校。デザインの基礎知識の見直しと、新しくコーディングについて学びました。実際にお客様にHPを提案する企業実習では、チームのリーダーとして全体の進行を管理しました。限られた時間内でのチーム制作は、非常に頭を悩ませましたが、「わかりやすく要点を可視化する」「話すよりも話をよく聞くコミュニケーションをとる」など、前職で培った能力を活かせたように感じました。

これまでの経歴を振り返ると、デザインセンスを一心に磨いてきたとは言い難いかもしれません。しかし、人の悩みを聞き、周囲と助け合いながら考え、問題を解決する、そういった経験は培ってきたつもりです。一人では乗り越えられない困難があればみんなとコミュニケーションを取って解決する、それがより良いデザインとなって、多くの人の助けになれば幸いだと考えています。